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2010.03.13 Saturday

「上海バンスキング」観て来ました!

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    bunkamuraシアターコクーンにて上演中の
    「上海バンスキング」を観て参りました!

    いやー、まずは良かった!良かったですよ。

    このお芝居、前から名前だけは知っていたのですが
    今回が16年ぶりの、ファンにとっては奇跡の公演であったことなどは
    まったく存じ上げませんでした。

    そのため、予約分はもちろん、当日券も売り切れ〜、
    な状態のチケットをもちろん私が入手できるはずもなく…
    例によっていろいろな理由で私のところにまわってきたチケットなので、
    嬉しいやらありがたいやら申し訳ないやら気の毒やらなのですが。

    あらすじは こちらのサイト から。
    以下、一部抜粋
    昭和11年の夏、マドンナ・正岡まどかと結婚したバンドマンの波多野四郎は、魔都上海の港に降りたった。ジャズをやめるという約束で結婚した四郎の目的はパリへ行くことではなく、実は上海でジャズをやること。そうとは知らないまどかを連れて、ジャズ仲間のトランペット吹き、バクマツこと松本亘を訪ねる。…」
    と、日中戦争、太平洋戦争前後、上海にやってきた日本人ジャズメンやそれをとりまく人々の物語です。

    なんかねえ、芝居の感想いろいろ書こうと思ったんだけど、うまく書けそうにないや。なのでレビューを求めて来た方には以下、ほとんど無駄な文章ですが、うっかりネタバレはしちゃうかもしれない(それって一番タチが悪いな)ので、ご注意ください。くださいよ。



    で…、この作品が79年の初演から、「演劇界の事件」とか「伝説」といわれるような支持のされ方をしたのはなんだかわかるような気がします。
    そして、94年に「封印」されてから16年、さすがにお年をめした役者の皆さんが演じた舞台は、最初のうちこそいささか「ああ、16年前にみたかったなあ」と思いましたが、幕が下りる頃には「今この公演を観られてよかった!」という気持ちに変わるような、とても魅力あるものでした。

    チャランポランでいいかげんな、それ故にきらきら輝かしい青春と、それが容赦ない時代の流れにもぎとられていくなか、それでもしたたかに生きていこうとする各人の、強さや弱さ、ダメさのなかに見える愛おしさ。

    そもそも、日本人がジャズをやろうとする、アジアの都市にヨーロッパの街ができる、そういう「まがいもの」的なものに、だからこそ必死でくらいつこうとする、そういう姿に私はどうも昔から弱いのです。できるならニューオーリンズに生まれたかった、というジャズメンの渇望、願いは、くるくるカールの美少女が暖炉の前で食事をする少女漫画家のペン先や、金髪のかつらとスターブーツで舞い踊るタカラジェンヌの輝きと重なるのです(多分)。

    そうそう、そしてこの舞台のみどころは、「俳優陣がすべて、振りパクでなく実際に演奏し、歌う」ところでもあるのですが、これもすごかった。他の劇団が「上演したい」と言ってきたとき、「役者が演奏するならどうぞ」とこたえたところ、そこまでしてやろうとした劇団はなかった・・・とプログラムに書かれていましたが、そりゃそうだ。曲数ハンパないし。でもこれを「演奏するフリ」だけにしてしまったら、この舞台は成立しないよなあ。

    さらに個人的には「芸術家と戦争」というモチーフが自分の琴線にふれまくりだし、劇中のナンバーは私の趣味にずっぱまり。
    (ええ、私にとっちゃ明菜もジュリーも懐メロなんかじゃありませんので。本当はSP盤カラオケとかやりたいクチですんで。)

    しかし芝居としては結構救いのない話です。何しろジャズ屋からジャズをとりあげちゃったら何が残るのさって。芸術家、軍人、左翼の活動家、日本人、中国人、米国人…誰一人戦禍を逃れることはかなわず、大事なものを失っていくのに、悲惨で悲壮な作品にならないのは、ヒロインまどかの、自分の人生に逆らわないけれど決して嘘をつかない、その生き方によるものが大きいのでしょう。

    「しかたがないでしょ、あなたのことが好きでなくなったんだから」

    愛人である中国人女性を若い日本人ジャズマンに奪われて、「落とし前を」とせまるマフィアの親分に対し、この台詞を高慢にでも開き直りでもなく、真剣に誠実に訴えるまどかに、こういう台詞を思いつきさえしない私なぞはハッとしてしまうわけですが。

    マドンナとよばれるそのおっとりした姿、物腰からは想像できないほど現実をありのままに見つめて受け入れ、でもけして投げやりにならない彼女の、「戦争のほうが夢だったらよかったのにね」という言葉は、彼女の行動に夢想的な部分がまったくといっていいほどないだけに、胸にせまります。

    あとは、あれだなあ、芸術家だのなんだのな人種は、戦時下では真っ先に弱っちゃうよね、仕事がなくなるっていうだけじゃなくて、全体主義と一番相容れないタイプだから。そういう世界は、もちろんもっと平均的な感覚の人たちにも生きにくい世界で、なんだか阿片におぼれてしまう四郎はさながら「炭鉱のカナリヤ」のようである、と思いました。

    さて、舞台終了後、ずいぶん客席が席をたつのがはやいなあ、やっぱり10時近くだから、みんな帰るのかなあ…もっと余韻を楽しんでもよさそうなのに、と思っていたら。

    実は公演後、メンバーが演奏しながらお見送りというのが恒例だったらしく、皆さんそれをめあてにいい場所をゲットしようと急いで席をたっていたのでした!がびーん。
    というわけで、のんびりしていた私は柱のむこうから演奏と歌声だけきいていたのですが、Youtubeに動画をアップしているかたがいたのでこちらをはっつけておきます。ご気分だけでも、どうぞ!



    ちなみに当日券、立ち見もでているようですが、
    興味をもたれたかたにはおすすめです。

    今回もいいもの観させていただきました。ありがとうございました〜!
    コメント
    すごーい遅いコメントでごめんよ。
    見に行ったのね、上海バンスキング。
    15年くらい前に見に行ったかしら。。。<遠い目
    あの頃の小日向さんは「若手」なポジションだったのに。。。

    新聞記事で読みましたが、
    以前「これが最後」という公演の後に
    小道具とかをファンにオークションで譲ってしまったのを
    今回声をかけてかき集めて舞台で使ったそうな。
    舞台のファンだから、置き位置の目印用ガムテープとか
    そのままにしていた方もいたとのこと。
    いろんな意味で、すごい時間と熱意が重なったお芝居だよね。

    舞台を思い出して、
    見た当時20代半ばくらいだった自分は舞台で言ってることを
    ちーっともわかってなかったな、と思い知ったよ。
    いま見たら、もっと登場人物に対して優しい気持ちで見られるような気がする。

    ああ〜、いいなぁ、舞台とかみてるんだよねー。
    やっぱり生の文化活動に触れないといかんなぁ。
    • とっと
    • 2010.04.25 Sunday 23:18
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